2016年06月30日

小坪慎也市議「外国人の税制優遇」徹底批判 第5回 会計検査院の検査報告とはどういうものか?(続き)

 第五回も引き続き、福岡県行橋市の小坪慎也市議のヘイトスピーチを扱います。

※これまでの記事はこちら。
第一回「被扶養者の人数が違う「外国人世帯」「日本人世帯」
第二回「「外国人の税制優遇」シミュレーションの検証
第三回「外国人は扶養控除を取りやすいのか?
第四回「小坪慎也市議が根拠に挙げる2013年度会計検査院の検査報告は何を言っているのか?

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 前回のブログでは、2013年度に会計検査院が行った『日本国外に居住する控除対象扶養親族に係る扶養控除の適用状況等について』*1 という検査の報告書が、「外国人の国外扶養親族について」検査した報告書であるという小坪慎也市議の主張が間違いであるということを明らかにした。また「国内扶養者」、「国外扶養者」という用語が、「日本人」「外国人」という国籍や人種・民族の別とは全く無関係であることを指摘した。

 しかし、この報告には、ほかにも問題がある。今回は前回の続きとして、その問題点を概括したい。


1.会計検査院の検査報告の概要

 前回記事でも触れた『日本国外に居住する控除対象扶養親族に係る扶養控除の適用状況等について』という会計検査院の報告書の概要を、今回も重要な点について再掲する。
(前回記事をお読みくださった方は本項を読み飛ばして2.からお読みいただきたい。以下『日本国外に居住する控除対象扶養親族に係る扶養控除の適用状況等について』より、http://report.jbaudit.go.jp/org/h25/2013-h25-1068-0.htm

 この会計検査院の検査は、国際化の進展に伴い、外国人労働者の増加や外国人を配偶者とする国際結婚が増加し、国外扶養親族〔外国に居住する被扶養者〕を扶養する納税者が増加してきている中で扶養控除の適用状況はどのようになっているか、という観点で行われたという*2 。

 具体的には、2012年度分の所得税の徴収に関して、確定申告書での扶養控除の申告額等が300万円以上となっている納税者1,576人について検査している*3 *4 。

 そして、所得税で扶養控除が適用される者1,554人*5 についてその国籍をみると、確定申告書等に添付された在留カード等により納税者が外国人〔外国籍〕であることを確認できた者が542人、不明の者が70人であった。また、日本人と思料される者942人のうち、配偶者が外国人であると確認できた者は761人であった。

 そして、上記1,554人のうち、扶養控除適用額があり、控除の対象となる扶養親族全員の居住国・地域が確認できた納税者は1,426人であった。そして、その9割に当たる1,296人が国外に居住する親族を扶養していた。上記1,426人の被扶養親族のうち日本国内に居住する親族が1,264人、国外に居住する親族が12,786人、計14,050人であった*6 。

 また、国内に居住する親族のみを扶養の対象としている者を「国内扶養者」、それ以外の者(国外に居住する親族を一人でも扶養している者)を「国外扶養者」として、比較した結果として、以下の5点を指摘している。

@ 納税者一人当たりの扶養親族の平均人数は、「国内扶養者」は平均5.9人だったのに対し、「国外扶養者」の平均は、10.2人であった。

A 納税者の配偶者の兄弟姉妹やおじ・おば、を扶養しているとする者が「国内扶養者」では1.0%だったのに対し、「国外扶養者」では57.6%であった。

B 扶養成年層(23歳以上60歳未満の者)である被扶養者は「国内扶養親族」では9.6%だったのに対して、「国外扶養親族」では57.6%であった。

C 多数の「国外扶養親族」を扶養控除の対象としていることにより、所得税が課税されていない者が多数見受けられた。

D 「国外扶養親族」について、続柄証明書類や送金証明書類が税務署に提出されていなかったり、提出されていても、書類がくわしく書かれていなかったりしていて、被扶養者の存在や送金の実態を税務署が十分に確認できない状況があった。


2.会計検査院の検査報告の問題点

 以上の情報を踏まえて、会計検査院の報告書の問題点を挙げて行こう。

(1)検査の対象の問題点

 会計検査院の報告書を詳しく読んでいくと、調査でピックアップされた納税者1,576人という人数が、いかに少ないかがわかる。

 まず、会計検査院の検査報告には、「本院は、検査に当たって、国税総合管理システムに入力された扶養控除の申告額等の情報を基に、全国の524税務署のうち、24年分の所得税の確定申告書、修正申告書又は更正の決議書における扶養控除の申告額等が300万円以上と多額になっている納税者が5人以上いる124税務署(注1)を抽出し、管内の当該納税者1,576人について確定申告書等の関係書類の提出を受けた。」と書いてある。

 つまり、この会計検査院の検査は、@確定申告をした納税者しか対象としていない*7 。また、A扶養控除の申告額等が300万円以上と多額になっている納税者しか対象としていないし、B実際に検査を行ったのは全国に524ある税務署の約4分の1である。

 この会計検査院の報告書では、納税者全体の人数を明らかにはしていないが、2012年度に確定申告をした者は2149万5000人であり、このうち確定申告で納税した者は609万3000人であった*8 。会計検査院の報告では、この年に扶養控除を申告者した者は約98万人だったという。1,576人というのは、この年に確定申告をした者うちの約0.007%に過ぎない。会社に勤めており、源泉徴収と年末調整のみで納税をしている人々も含めれば、その割合はさらに低くなる。

 今回の調査が全税務署の約4分の1でしか検査をしていないにしても、日本において、「扶養控除の申告額等が300万円以上と多額になっている納税者」がほとんどいないことを意味していると言って良いだろう。

 また、上記の国外扶養親族の扶養控除適用額にかかわる所得税の減税額は推計4億9858万円であったという。しかしながら、もちろんこの額すべてが不正であるわけではないし、約5億円というのは、この年に確定申告で納税された所得税額2兆4,056億円*9 と比較すれば、微々たる規模に過ぎない。


(2)検査対象の6割は日本人

 次に検査の対象になっている1,576人について見てみよう。

 上記の会計検査院の報告を見ると、検査対象のほとんどが外国人だと思われたかもしれない。しかし、そうではない。

 会計検査院の報告では、納税者の国籍を調べているが、1,576人の中、所得税で扶養控除が適用される者1,554人*10 のうち、在留カード等により外国人〔外国籍〕であることを確認できた者が542人、日本人と思料される者が942人、不明の者が70人であった。また、日本人と思料される者942人のうち、配偶者が外国人であると確認できた者は761人であったという。

 ここには、2つの問題点がある。

 まず、第一に、この検査で、国籍が厳密に調査されたわけではない。検査の報告書には、「確定申 告書等に添付された在留カード等により納税者が外国人であることを確認できた者が542人、日本人と思料される者が942人、不明 の者が70人であった。」と書かれている。つまり、外国籍であると確認できなかった人々を「日本人」だとしているのである。この中には、外国籍者や日本国籍取得者などが多数含まれる。また、日本の所得税は、あくまでも日本国内に居住しているかどうかを基準にして徴収されるため、「外国籍」か「日本国籍」かということは重要な点ではない。

 第二に、会計検査院は日本人と思慮される者の国籍を調べている。この検査の対象となっている納税者の約60%は日本人〔日本国籍〕である。しかし、「日本人と思料される942人のうち、配偶者が外国人であると確認できた者は761人であった。」というのである。先ほども述べた通り、日本の所得税では、国籍は重要な点ではない。さらに、納税者の配偶者の国籍を調べることには何の正当性もない。これは、「扶養控除を(不正に)多く取っている納税者は、外国人もしくは外国人の親族ではないか」という発想がもとになっているし、実際に読者にそのような錯覚を与える原因となっている。これは、まさにレイシズム煽動になりかねない。

 また、この報告書では国外扶養親族の扶養実態について以下の事例を挙げている。少し長いが引用したい。

 「日本人である給与所得者Aは、平成24年分の所得税の確定申告に当たり、国内扶養親族である実母のほか、配偶者の母国であるフィリピン共和国に居住する国外扶養親族21人に係る扶養控除の額を、他の控除額と合わせて所得金額1062万余円から控除して、課税所得金額及び所得税額を計算して0円と申告し、源泉徴収税額111万余円の還付を受けていた。そして、提出された送金 証明書類によると、Aが同年中にこれらの21人分の生活費として送金した額は、73万余円(国外扶養控除適用額に対する送金額の 割合9.4%)であった。また、上記21人のうち二親等の姻族及び三親等の姻族が20人となっていて、このうち、13人は扶養成年層であった。

 この事例を見ると、「外国人」が扶養控除を(不正に)たくさん受けているという印象を受けるかもしれない。しかし、実はこれは「日本人」の納税者の事例である。この事例から言えるのは、税金を安くしたい悪質な「日本人」が「外国人」の配偶者を利用した可能性があるということではないだろうか。「外国人」を配偶者に持つ者と「外国人」を同一視するのは間違いである。この事例をもとに「外国人」は多くの扶養控除を取っているとは言えない。


(3)会計検査院の検査は「外国人」/「日本人」を対象に調査されたものではない

 そもそもこの会計検査院の検査は、外国人を対象に絞ったものではなく、確定申告での扶養控除の申告額等が300万円以上と多額になっている納税者を対象にしたものであるということは前回のブログで確認した。この検査報告で使われている「国内扶養者」と「国外扶養者」という用語は、会計検査院の定義では、単に日本国外に居住している被扶養者がいるかどうかを表すに過ぎない。そのため、「国内扶養者」、「国外扶養者」という用語は、「日本人」「外国人」という国籍や人種・民族の別とは全く無関係だ。会計検査院の調査を読むときには、その点を注意してもらいたい。

 では、この「国内扶養者」と「国外扶養者」という比較はどのような意味を持つのだろうか?

 会計検査院の報告によれば、「国内扶養者」は130人であったのに対して、「国外扶養者」は1,296人であったという。この人数の差は、「国内に居住する親族のみを扶養控除の対象としている納税者」と「それ以外の者(国外に居住する親族を一人以上扶養控除の対象としている納税者)」という、「国内扶養者」と「国外扶養者」の定義の違いによるものである。

 また、この会計検査院の検査は、国際化の進展に伴い、外国人労働者の増加や外国人を配偶者とする国際結婚が増加し、国外扶養親族〔外国に居住する被扶養者〕を扶養する納税者が増加してきている中で扶養控除の適用状況はどのようになっているか、という観点で行われたという。

 会計検査院の報告書には「国内扶養親族については市町村等との連携により控除対象扶養親族の要件を満たしていることを税務署が確認できるが、国外扶養親族については納税者の協力による書類の提出又は提示にとどまっていることから、要件を適正に満たしているかを確認することが困難な状況になっていると思料される。」などと記載されている。このことから、会計検査院は「国内扶養者」を「日本の税務署が納税者の扶養関係に関してきちんと管理できている者」、「国外扶養者」を「そうでない者」と考えていることがわかる。

 しかし、日本国内であっても扶養関係の調査がすべて厳密になされているわけではないことは、第三回のブログで明らかにした。「国内扶養親族については市町村等との連携により控除対象扶養親族の要件を満たしていることを税務署が確認できる」というわけでもないのだ。

 (後段の「国外扶養親族については納税者の協力による書類の提出又は提示にとどまっていることから、要件を適正に満たしているかを確認することが困難な状況になっていると思料」の問題については改めて取り上げたい)


(4)「国外扶養親族の扶養控除による課税逃れ」はそれほど大きな問題ではない

 読者の方々の中には国外に居住する親族の実態や送金の把握が難しいことは事実ではないか、と考える人もいるかもしれない。確かにそれは、事実である。

 しかし、国外での金の流れを国が把握できないという問題は、今に始まったことではない。今年の4月にパナマ文書が公開され、伊藤忠商事やファーストリテイリング、ソフトバンクなど誰もが名前を知っているような大企業がタックス・ヘイヴン(租税回避地)を利用して課税逃れをしていたことが明らかになった*11 。しかし、日本ではそれが大した問題として認識されず、政府はまともに対応策を出そうともしていない。それら企業の課税逃れは、個人でなくグローバル企業が行っていることからも、巨額さから言っても、この会計検査院の検査報告とは比較にならない大問題であろう。

 それにもかかわらず、小坪慎也市議をはじめとした政治家が「外国人の税制優遇」なるものを打ち出し、それだけを問題化するのは甚だおかしなことと言わざるをえない。それは、レイシズムがもてはやされるという日本特有の社会状況によるものだが、そのようなレイシズム煽動を決して許すわけにはいかない。


3.まとめ

 会計検査院の検査には以上のような問題点があり、検査報告自体がレイシズム煽動効果を発揮しかねない質を持つこと、じっさいに極右議員などによってヘイトスピーチの源泉として活用されていることを明らかにした。この検査報告を使って「外国人」は扶養控除を(不正に)たくさん取っているなどということはできない。しかし、実際には、この報告書を基に2015年に税制が改正され、国外扶養親族に関わる書類の提出が厳格化された*12 。小坪慎也市議はこの改正を非常に不十分とし、さらなる改正を目指している。そのため、この検査報告の問題点を明らかにしていくことはとても重要だ*13 。

 今回は、会計検査院の検査報告についてその問題点を概括した。次回は、「国内扶養者」と「国外扶養者」との比較結果の5点について検証していきたい。


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*1『行橋市議会員 小坪しんや』2016年,青林堂 p.132 ll.8−p.133 l.1
 「私のブログを読まれている方はご存じかと思いますが、外国人の国外扶養親族について、会計検査院が調査した結果が公表されています。会計検査院とは三権から独立した国の機関の一つであり、すべての監査を行います。会計検査院による調査とは、国による調査と言ってもいいでしょう。その結果でありますが、恐るべきものがございます。
 扶養控除の申告額が300万以上の外国人(または配偶者)を調査したところ、9割が国外に居住する親族を扶養し、扶養控除を受けていました。また、国外扶養者では、平均10.2人もの扶養をとっていることが発覚しました。このような人数は日本人では不可能です。〔後略〕」
 小坪慎也市議がブログで紹介しているのは、「平成25年度決算検査報告の概要」、つまり、簡易版の報告である。(小坪しんやのHP〜行橋市議会議員 (https://samurai20.jp/2014/10/g-huyou/)より。
 より詳しい検査報告は、会計検査院検査報告データベースを参照。(会計検査院検査報告データベース,平成25年度,第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等, 第3節 特定検査対象に関する検査状況,『第2 日本国外に居住する控除対象扶養親族に係る扶養控除の適用状況等について』
http://report.jbaudit.go.jp/org/h25/2013-h25-1068-0.htm

*2『日本国外に居住する控除対象扶養親族に係る扶養控除の適用状況等について』, 2 検査の観点、着眼点、対象及び方法, (1)検査の観点及び着眼点,http://report.jbaudit.go.jp/org/h25/2013-h25-1068-0.htm
 「前記のとおり、所得税の所得控除は、納税者の個人的な事情を考慮して税負担を調整するために設けられたものであり、公平で有効 な制度として機能することが求められている。このうち、扶養控除についてみると、国内扶養親族については市町村等との連携により 控除対象扶養親族の要件を満たしていることを税務署が確認できるが、国外扶養親族については納税者の協力による書類の提出又は提示にとどまっていることから、要件を適正に満たしているかを確認することが困難な状況になっていると思料される。そして、国際化 の進展に伴い、外国人労働者の増加や外国人を配偶者とする国際結婚の増加等により、国外扶養親族を控除対象扶養親族とする納税者が増加してきていると思料されるなど、社会情勢が大きく変化している。
 そこで、本院は、有効性等の観点から、扶養控除の適用状況はどのようになっているか、扶養控除は社会情勢の変化に対応して有効 かつ公平に機能しているかなどに着眼して、検査を実施した。」

*3『日本国外に居住する控除対象扶養親族に係る扶養控除の適用状況等について』, 2 検査の観点、着眼点、対象及び方法, (2) 検査の対象及び方法,
 「本院は、検査に当たって、国税総合管理システムに入力された扶養控除の申告額等の情報を基に、全国の524税務署のうち、24年分 の所得税の確定申告書、修正申告書又は更正の決議書における扶養控除の申告額等が300万円以上と多額になっている納税者が5人以上いる124税務署(注1)を抽出し、管内の当該納税者1,576人について確定申告書等の関係書類の提出を受けた。そして、納税者の所得金額(申告分離課税所得金額を除く。以下同じ。)、所得税額、扶養控除の申告額、控除対象扶養親族の居所(国内・国外の別)、 人数、納税者との続柄、年齢、国外扶養親族への送金額等を分析するなどして検査するとともに、国税庁及び上記124税務署のうち10 税務署(注2)において上記の関係書類により説明を聴取したり、財務本省において扶養控除制度の趣旨、改正の経緯等を聴取したり するなどして会計実地検査を行った。」

*4 注*3の記述より。上記の報告書は、「確定申告書、修正申告書又は更正の決議書における扶養控除の申告額等が300万円以上と多額になっている納税者」について行われたものなので、源泉徴収と年末調整によって所得税の税額を決定する者については調査の対象となっていない。

*5 確定申告書等での扶養控除の申告額等が300万円以上となっている納税者1,576人のうち、扶養控除適用額がない(扶養控除以外の所得控除を適用した時点で課税される所得金額が0円となる)者が22人いた。(注参照)

*6 『日本国外に居住する控除対象扶養親族に係る扶養控除の適用状況等について』, 3 検査の状況,(1) 扶養控除の適用状況,ア 控除対象扶養親族の状況,
「上記扶養控除の申告額等が300万円以上と多額になっている納税者1,576人に係る扶養控除適用額(注3)は、計51億4743万余円であった。このうち、所得税額の計算において扶養控除適用額がない納税者22人を除く1,554人についてその国籍をみると、確定申告書等に添付された在留カード等により納税者が外国人であることを確認できた者が542人、日本人と思料される者が942人、不明の者が70人であった。また、上記の日本人と思料される942人のうち、配偶者が外国人であると確認できた者は761人であった。」
(注3)扶養控除適用額  所得金額に扶養控除以外の所得控除を適用したその残額から更に控除できる扶養控除の額
 上記1,554人のうち控除対象扶養親族全員の居住国・地域が確認できた納税者1,426人が申告した控除対象扶養親族は、国内扶養親族が1,264人、国外扶養親族が12,786人(居住国・地域別の内訳は、フィリピン共和国8,342人、ブラジル連邦共和国1,330人、中華人民共和国821人、その他の国・地域2,293人である。)の計14,050人であった。
 そして、上記1,426人のうち、国内扶養親族のみを扶養控除の対象としている納税者(以下「国内扶養者」という。)は130人であったのに対して、国外扶養親族も扶養控除の対象としている納税者(国外扶養親族のみを扶養控除の対象としている納税者を含む。以下、これらの納税者を「国外扶養者」という。)は1,296人と、全体の9割を占めていた。」

*7 所得税の徴収には、源泉徴収による方法と確定申告による方法とがある。会社に勤めて毎月給与を受け取っている人の場合は、月々の給与から所得税などが天引きされ、事業主からまとめて税務署に納税される、源泉徴収という方法で税の徴収が行われている(国税庁HP,https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2110.htm)。一方、自営業者や個人事業主、給与所得以外の収入がある場合は、源泉徴収ができないため、税務署への確定申告で自ら収入の申告などを行い、納税するという方法を取っている。また、支払った所得税の過不足を清算したい場合も確定申告を行う場合がある。(国税庁HP, https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2020.htm

*8 第138回国税庁統計年報 平成24年度版 p.8
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/h24/h24.pdf

*9 同上 p.8
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/h24/h24.pdf

*10 確定申告書等での扶養控除の申告額等が300万円以上となっている納税者1,576人のうち、扶養控除適用額がない(扶養控除以外の所得控除を適用した時点で課税される所得金額が0円となる)者が22人いた。(注参照)

*11 「「パナマ文書」に載った日本人・企業の"事情" タックスヘイブン活用の意外な本音が明らかに」東洋経済オンライン 2016年5月23日
http://toyokeizai.net/articles/-/118977?page=4

*12 国外扶養親族に係わる扶養控除等の適用について 平成27年9月 国税庁
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/kokugaifuyou_leaflet.pdf

*13 『行橋市議会員 小坪しんや』2016年,青林堂 p.150 l.7-p.150 l.13
 「これだけの大問題です、憲法を準拠法とする会計検査院が監査を行い、検査報告も公開されました。それを受け、次年度の税制の方針を決定する「税制改正大綱」(自民党・公明党)にも明記、結果として国税庁から各法人に通達も出されました。
 しかし、その内容は不完全なものでした。国は、制度の厳格化という形で、書類のみ厳しくチェックするよう制度を改めはしました。しかし、制度の根幹には手は加えられておらず、国外扶養親族が「本当に存在しており」「送金の確認」がとれれば、今まで通り国外扶養を認めるようです。私は、これが許せない。」
 同p.153 l.14-p.154 l.2
 「よって、「そもそも、国外扶養親族」は認めなくてもいいじゃないか!というのが私の主張です。国の制度に瑕疵があり、その余波を地方公共団体が大きく背負う現状。国の責任において、制度の抜本的な改正が必要です。」
posted by 反レイシズム情報センター(ARIC) at 19:33| Comment(0) | 「税制優遇」徹底批判
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